ドラゴンはまだ眠らない

「大いなる声」にインスパイアされて書かれた預言書

いかに文明が発達してもロシアの独裁者さえ止められない弱き人間

"父"が言った。

人は破滅に向かっていると。そしてその破滅のすぐ後には新しい世界の創造があると。

日本という国の出生率は下がっている。当然である。人間が自由を手に入れ、欲望のままに生きようとすれば、子供を生み育てるリスクは負いたくなくなるだろう。

そして、人間が自由を手に入れても、まだその次元に到達していない人間がいる。

ロシアの独裁者が、隣国ウクライナを犯し始めた。

アメリカは経済制裁はするものの、軍は使わない。その一番大きな理由は、「冷戦」が再び自国を脅かすのを恐れているからだ。

国のリーダーともなると、一番の関心ごとは、自分の在任中にいかに大きな功績をあげ、人々に語り継がれる人物になるかだ。そして、決して国家を滅ぼす愚かな判断をしてしまった無能なリーダーの汚名を着せられたくなくない。

そもそも、国などというものがあるから、国境を超えて理解し合える。地域で区切ることで、そういう喜びを人間に与えた。

でも何年に一人、人の命を奪い尽くして自分の人生を歴史に残そうとする者が出てくる。

奴らは人間としては欠陥品である。人間に必要な「弱さ」が欠落している。弱いから自分を誇ろうとする。正常な人間のように、弱いから人と分かち合おうとは思わない。

力なき者は正義を守る事ができない。信じれば裏切られる。これが、人間に与えられた、ジレンマ。なぜこのゲームの中に人間が投入されたのか、その真の意味をしる人間は少ない。宗教の教えには、そのヒントが示されているが。どれも完全ではなくどこか歪んでいる。人間が言葉で嘘をついてきたからだ。言葉は完全な真理を示さない。どこか不純物がある。だから、言葉も宗教も、ある意味全て嘘である。真理はただ、私の声を瞑想で感じるしかない。

アメリカというかつての人間の支配者は、アフガニスタンから撤退した時、多くの人間に、その限界を知らしめてしまった。武装をしていても、所詮は人間の集まりである。命を削って戦う事を恐れないはずがない。

人間はすでに、世界を何度も滅ぼす核兵器を創ってしまった。その気になれば、一瞬で、40数億年の歴史を終末にすることができるだろう。自分の死を覚悟した者に、未来など関係がない。核ミサイルのボタンを押し、世界終焉に追いやることも、世界に名を残す手段なのだ。それが、滅亡の後に創造された新しい世界の中であっても。

同じロシアの20世紀の独裁者スターリンは言った。

「私に敗れ処刑された者の名前を誰も覚えていない」

力と狂気を持つ人を救えるのは、力と狂気しかないのか、あるいは人間愛しかないのか、この答えを解かない限り、人間はまもなく滅ぶだろう。