ドラゴンはまだ眠らない

「大いなる声」にインスパイアされて書かれた預言書

会社に入ったら生き残るコツ

2012年にアメリカから帰った俺は34歳になっていた。

アメリカで日系のゲーム会社で約6年働いていた俺は、訳あって帰国を決めた。

アメリカでの年収は、人の2倍頑張って、サンクスギビングも返上して働いて、せいぜい450万円ほどにしかならなかった。日本に帰国子女として売り出せば、もっといい給料がもらえると思った。

アメリカで日本語の話せる永住権を持たない東洋人として勝負するよりも、日本で英語を話せるバイリンガルとして勝負した方が需要があると踏んだからだ。

キャリアの世界でお金を稼ぐには、自分の有利なフィールドで勝負する事。アメリカで搾取されて学んだ事だ。

ただ、俺は日本の社会に適合できるか不安だった。最悪一生無職かも知れないと思った。

だから俺は、「受け皿」として、アメリカの横浜の雇い主の子会社、アマゾンでゲームグッズや皿などを売る小さい専門商社に入れてもらった。

とてもじゃないが、中年男が欲望の延長線上で作ったママごとの会社のようなもので、社員にまともな給料も払えないほど経営は厳しかった。その時の手取りは16万円ほど。

社長は給料のたび、「少なくてごめん」と言っていたけど、自分は会社が稼いだお金でキャバクラに行って、気に入った中国のお姉ちゃんにビザのスポンサーになってあげて自分の会社に入社させるような事をしていた。

結局イヤになって3ヶ月でやめてしまったが、今の妻とはその時婚約した。会社のオフィスがあった桜木町から歩いて20分くらいの場所に月6万年くらいのアパートを見つけてくれ、自分の給料から俺に腕時計や冷蔵庫やテレビや洗濯機など、電化製品全部買ってくれた。今は専業主婦になっているが、お金で人間を選ぶ女じゃない事を俺は知っている。今の日本には希少だと思う。

それから9年余り。転職する事4回。その度に年収をアップさせ、当時の2桁倍になった。どうやら日本のサラリーマンではこれ以上増やすのは難しい最高レベルの水準に近いところまで来たようだ。投資などの副収入を合わせたら、おそらく自分の会社を1発当てない限り、サラリーマンという身分のまま今の収入を超えることは難しいだろう。

俺は会社というものに所属しながら、昇格して年収を上げるのに必要な事を学んだ。その中のいくつかを上げるとこんな感じだ。

  • 自分の得意なフィールドで勝負せよ
  • 基本的に人は皆、自分はもっと評価されるべきだと考えているし、自分に甘く他人に厳しい。自分以外はみんな仕事ができないしバカだと思っている
  • 義理も人情も戦略的に使え
  • 人を信じよ、ただし、裏切る隙を与えるなかれ
  • どんなに偉い人も本当は自信がないし、もっと褒められたいし、褒められて悪い気はしない
  • 真に公平な評価ができるボスは存在しない。結局は自分をヨイショしてくれる部下を好む
  • バカな上司に当たったら、早い段階で損切りをせよ(離れよ)
  • 3年以上同じポジションに居座るな
  • 無能な奴は情報格差で後輩と勝負する
  • 唯一無二の能力は、常に能力を向上させる能力
  • 転職は給与と条件で選べ。転職さきではどうせ苦労する。だからお金をもらって苦労せよ
  • 時には牙を剥け。ただし、牙を剥く相手を役職だけで決めるな
  • 自分が努力しているかどうかは関係ない。自分が経営者だったら自分が欲しいかどうかで自己評価せよ
  • 感情に支配されるな。特に、怒らない、恐れない、色仕掛けに負けない。感情に支配されない能力は非常に重要である
  • 男は、承認欲と性欲の支配から解放された時、無敵になる。ただし別の原動力を見つけられた場合に限る
  • なるべく喋るな。聞け。そして意味のある言葉だけを発せよ。覚えられる存在になれ
  • 広い場所を占領せよ。相手に100%関心を向けよ。共感せよ
  • 悪口を絶対に言うな。言えば本人の耳に入ると思え。第3者の悪口を言う奴は、他の場所で自分の悪口を言っていると思え
  • 相手の言葉の裏の意味と、心情的背景をいつも観察して考えよ
  • 誰も動かなければ自分で動け。それがリーダーの証
  • 人に恥をかかせるな

まだまだたくさんあるが、今日はこれくらいにしておこう。