ドラゴンはまだ眠らない

「大いなる声」にインスパイアされて書かれた預言書

「停止条件」をネーミングした奴はバカだ

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ビジネスの勉強をしていて、停止条件と言うものを学ぶ人が多いと思う。はっきり言ってこのネーミングは非常に紛らわしい。

停止条件」は、契約上何かの効力を発動させるトリガーとなる条件のことであり、本来の停止の意味とは真逆になる。例えば、ロースクールの受験に受かったら百万円やる、と言われた時、この受験に受かるというのが停止条件にあたる。

...は?もちろん俺はテキストブックのプリントミスを疑った。しかし、読めば読むほどそれは間違いではないことが明白であった。全く意味不明なので、その因果関係を調べてみると、ネーミングの由来等には全く触れていない。ただ覚え方として、ある条件が「停止」していたものをなくすための条件だから「停止条件」なのだとある。いやいや。それは停止解除条件であって停止条件ではない。あるいは開始条件とか、発動条件とかのほうが絶対にわかりやすい。どうしても停止条件という言葉を使いたいなら、ロースクールに合格していないことがそれに当たらなくてはならない。ロースクールに合格するのが停止条件というのは、絶対に違う。

逆に、停止条件と対で覚えさせられる「解除条件」というのがあって、こちらは、逆に何かの条件をストップ(解除)させる条件なのだそう。例えば、ロースクールの受験に合格したら、毎月10万円の仕送りを停止する、という契約があった場合、この受験に合格するいうのが解除条件に当たる。これは読んで字のごとくだ。故に停止条件は、ますます紛らわしい。解除条件はほとんど名前のままなのに対し、停止条件は真逆。ますますすっきりしない。

ひょっとしたらこんな馬鹿なネーミングは英語の直訳だからなのかと思い調べてみたところ、対訳はstop condition と書いてあるサイトもあったが、どれも日本語のウェブサイトであり、信憑性はなかった。英語のサイトでstop conditionを検索しても、出てきたのはパソコンのプログラム用語であり、ある命令のループをストップさせる条件という、そのままの意味で使われている。リーガルな意味では検索にほとんどヒットしなかった。おそらく一般のネイティブにストップコンディションと言っても通じないのではないだろうか。英語で停止条件に当たる信頼できる対訳はcondition precedent(先行する条件)と言うらしい。This makes a lot of sense.

つまり、このバカな用語は日本人の頭でっかちな法律家が習慣化したものと思われる。

何故なんだろうか。確かどこかの弁護士さんが言っていたが、本来法律や契約書の類の書類は、100分の1位に簡単にできると言う。だけどそうなれば彼ら法律屋さんの商売上がったりなので、一般人には理解できないような複雑で退屈な日本語にわざとしているのだと言う。全く腹立たしい限りである。そのせいで法律を勉強する日本人は、この紛らわしさに腹を立て、首をひねり、すっきりしないまま、そういうものだからと自分を納得させ、学習するのだろう。

そこのスーツ、図星だろ。

でも結局、むかついたおかげで覚えやすくなったけどね。